<若大将系の近親配合論>


若大将系というのは、本来極度の近親配合から出来あがった
血統で、「若大将系の歴史は近親の歴史」というぐらい
超近親配合で作り上げた血統です。
そもそも、若大将系のきっかけは、若大将号という一羽の鳩の
事故死がきっかけで、出来あがった血統です。
若大将号は、ヒナの時から非常に頭が良く静かで帰巣性の
強い鳩でした。
特に卵を抱かせたら、自鳩舎では100%トップに帰舎しました。
この鳩は、エサをまいてもある程度食べ終わるとすぐに自分の場所
に行き、おとなしくしているといった調子でしたので、兄と
「将来、この鳩は絶対に良い鳩になる」と話し合い、ヒナの時から
期待をかけておりました。
そのぐらい期待していた鳩が、いざレースに出したところ、600Kレースで
優勝してしまい、翌年の600Kレースでも優勝
(この時、若き大将の意から若大将号と名付ける)してしまいました。
まだ高校生でした私は可愛いくて、たまらなかったわけです。
そして、念願の「1,000K当日」レース参加ですぐに達成しましたものですから
鳩飼いなら、誰でもこの鳩の名を残したいと思う、私の
気持ちわかっていただける事でしょう。

       若大将号 40−94101 BC ♂

       100K 2位 4位 8位 10位

       200K 4位

       500K 3位 13位

       600K 1位 1位 9位 21位

       700K 4位 (悪天レースで、この1回だけ翌日帰り)

      1000K 当日一羽帰り 全国総合優勝
            (プリンス自動車、全国最高分速賞獲得)


この鳩が死んでしまった時は、何度も鳩をやめようと思いましたが
鳩の魅力には勝てませんでした。
この時をさかいに一から出直そうと思い、若大将号の血を固める事に
専念いたしました。
まず、最初にその当時残っていた直仔5羽
(すでに翌年直仔が1,000K優勝M・若大将号)
を飛ばすことあきらめ、又、他鳩舎へ分譲してしまった。
直仔3羽を無理に頼み込んで買い戻し、8羽の直仔を種鳩に
ストックし、それらの直仔すなわち、「孫」で優勝しようと思ったわけです。
同時に若大将号の両親である、若大将パパ号と若大将ママ号の二羽を
願望して、太田氏より譲り受けました。(すぐに直仔が翌年1,100K悪天レースで
9ヶ月の若鳩が1,100K総合優勝、二代目若大将)
若大将号と同じ血のものを作り出し、若大将号直仔とは叔父・叔母にあたる。
これらの血統を若大将号の直系配合し、同系異血から血統を確立
しようと、計画いたしました。
異血を入れる場合は、若大将号に似たタイプのもの、集団から飛び抜けそうな血統のもの!!
以上の二点を重視して購入してまいりました。
まず最初に行なった配合は、兄妹配合で作った鳩に
異血をかけて、一代雑種にして飛ばしました。
これが非常に当り、若大将号の孫が第1期黄金時代を作りあげました。

若大将太郎号 70HB8015 BC♂ 600K7連合合同レース総合優勝
                        400K 9位 300K 9位 100K 6位
若大将二郎号 70HB8020 BC♂ 600K7連合合同レース総合2位
                        500K 7位 700K 2位
若大将三郎号 71HT4853 BC♂ 600K 1位 400K 4位
若大将四郎号 70FB3224 BC♂ 300K 2位 7位 500K 7位
若大将919号 68AB0919 BC♂ 300K 1位 200K 7位 
                        500K 5位 600K 3位
リトル若大将号 68AB0918 BC♀ 400K 2位 800K 2位
                       (ナショナル若大将の母親)
第1番目にF1配合!!(上記のように非常に飛びました)




        
      若大将太郎号                       若大将二郎号
 600K7連合合同レース総合優勝          600K7連合合同レース総合優勝

若大将4072号     68BM4072 BC♀ 700K 1位 600K 4位
                             1,100K全滅して後日帰り
若大将914号      68AB0914 BC♂ 600K 1位 200K 5位
                             300K 4位
エリート二世若大将号 69MS4646 BC♂ 200K 7位 300K 10位
                             600K 4位 700K 5位
第1番目にF1配合!!(上記のように非常に飛びました)




第2番目に直仔×孫 配合 (一番目のF1配合で飛んだ鳩に若大将号の直仔でもどす)
ナショナル若大将号 69MS4640 BC ♂
             100K 4位 200K 5位 700K 2,509羽中総合6位
              (当日連合会一羽帰り優勝)



           
ナショナル若大将号(パーフェクト若大将の父)   ゴールデン若大将号(若大将号直仔)
 700K当日一羽帰り優勝                 直仔700K当日一羽帰り優勝
                                 孫700K当日一羽帰り全国総合優勝

他にも、若大将号の孫の優勝鳩だけ(入賞は多数)でも書いてみますと
最初から、非常に多くの優勝鳩が生まれました。

若大将菊花号     71TP6655 BC♀ 700K当日一羽帰り全国総合優勝
若大将菊茂号     71FT4870 BC♂ 1,000K  優勝
M若大将ダンディ号  68KM4228 BC♂ 1,100K 優勝
M若大将トップ号    69BB9183 BC♀ 100K 優勝
M若大将セブン号   70HS2307 M ♀ 100K 優勝 150K 優勝
ビューティー若大将号 70FB3216 BC♀ 500K 優勝 全国品評会 一席
スプリンター若大将号 70FB3217 BC♂ 300K 優勝
4,000番若大将号    71TE4000 BC♀ 100K 優勝
若大将8019号     70HB8019 BC♂ 200K 優勝
モコモコ若大将号    70HB8001 BC♀ 800K  雨中翌日一羽帰り優勝 1,100K 優勝
若大将プロ号       70HB8024 BC♂ 700K 優勝
若大将レデイ号      71ET9760  B♀ 400K 優勝
ビックセブン若大将号  71ET4857  B♂ 500K 2回優勝


第1期黄金時代というように、当時の若大将系は10回レースを
すれば8回は連合会優勝を独占する程の各地区確竹の勢いで
周囲からは、小さな連合会だから勝てるんだといった、やっかみ半分
の声も聞かれ始めた。血気盛んな大学生だった私には、これが
我慢ならず、それなら全国区で若大将系の実力を証明しようと、初めて
国際鳩舎レースに委託しました。
結果は、最初の300Kレースで東京地区優勝、700K国際鳩舎始まって
以来の当日一羽帰り全国総合優勝、これが若大将菊花号である。
実力が証明されれば、それでよかったので、国際鳩舎はそれから
ほとんど参加していませんが、しかし他鳩舎で参加した鳩も総合優勝が
2羽生まれました。

ランド若大将号 (パーフェクト若大将号の孫) 84−90610 B♂
           一戸 博作 500K日本選手権総合 優勝
ファジー若大将号(パーフェクト若大将号の孫)90−80073 B♀
           山田 定和作 500K日本選手権総合 優勝


             
ランド若大将号(パーフェクト若大将号の孫)      ファジー若大将号(パーフェクト若大将号の孫)
  500K日本選手権総合優勝                500K日本選手権総合優勝


話しを、近親配合にもどしますが、どの血統でも近視配合が良い
わけではありません。まず、近視配合にしてすぐに奇形の出る様な血統は
向きません。最低限のめやすとして、近親にして親より体形・骨格が親より良く
出る様な血統でないとダメです。
若大将系は、近親・近親で来た系統ですが、どんなに濃い近親にしても、
水カキがあるとか、羽がおかしい等の奇形は100羽に1羽も出ません。
それだけ遺伝子が強いわけです。
そこで、私が一番良いと思う近親は、競走馬の場合孫に曽孫「奇跡の血量18,75%」
の近親が理想とされていますが、鳩の場合それでは薄すぎると思います。
私の場合「直仔×孫」が一番良いと思っています。その典型的な
例が若大将菊花号・若大将菊茂号・若大将菊姫号です
この鳩は、直仔×孫掛けを2回繰る返した配合です。




  若大将菊花号                若大将菊茂号             若大将菊姫号
 71TP6655 BC ♀           71ET4870 BC ♂       72EM5212 BC ♀
700K国際鳩舎初の               1000K 優勝             1000k 2位
当日一羽帰り全国総合優勝



若大将菊花号・若大将菊茂号・若大将菊姫号の血統書  (菊の三兄弟)
<若大将号直仔×孫の2回のくりかえし)




若大将菊花号の配合は若大将系近親の基本ですが
私の経験では、一番無難で近親の弊害が少ないのは
孫に孫の配合直仔×直仔は半分違う血がはいった同士なら
良いのが出るが弊害も多い。飛ばすのに難しいのは、まったくの
兄弟配合、でも種鳩としては、兄妹配合や親仔配合が
一番良いです。ただし、これは配合の基本も何もない
たまたま、極端な配合になってしまい、当った鳩もいます。

サンデー若大将号
76BE2739 BC ♀

77年秋 200K優勝 ( 3,618羽中総合 2位)
77年秋 300K優勝 (10,826羽中総合77位)
77年秋 500K優勝 ( 6,009羽中総合93位)
77年秋 700K優勝 (   320羽中総合 3位)
     4回連続優勝








これは、選手鳩同士がつがいになり、かってに出来た鳩なのですが
それでも飛んだというのは、若大将系の近親に強い証明だと思います。



血統書拡大図
サンデー若大将号の血統を見てお分かりの様に考えられないぐらいの近親配合ですが
これも必ずといっていいぐらい法則があります。
それは、祖父・祖母の代で必ずどこか1羽異血にしておかなければなりません。
この法則で当たった配合は、当舎でたくさんいます。

    
















































































以上の様に、この配合パターンで当った配合は非常に多くいますが、
ここが一番大事なことですが、どんなに近親にしても2代も3代も無記録鳩で
種鳩にしては絶対にだめです
2代も3代も無記録鳩で、種鳩にして作出すれば外見は非常に親ににた良い
鳩が生まれますが、それは、みかけだけで人間でいうところの白雉美人です。
若大将系だけで40年間近く第一線で戦ってこれたのは、どんなに近親にしても
必ず記録鳩を種鳩にして、作出してきたからです。


しかし、祖父・祖母の代で1/4異血を入れておくという以上濃くして当った配合が
あります。それがスーパーセブン若大将号とスーパーエイト若大将号です。

オスの血統の怪物若大将号は、成績があまりにもすごい為、その様な鳩が生まれたら
名付けようと、とっておいた名前でその名の通り怪物的な記録で、
中距離エースP全国総合優勝(その当時入賞率が日本新記録)
メスの血統は、スーパースター若大将号200K・300K連続総合優勝 2回連続総合優勝は、
当舎では、この鳩だけです。
そして、母親が若大将タイプ号その名の通り私のタイプの鳩で、しかもエースP総合2位です。
その両親から生まれた一番仔スーパーセブン若大将号で、最初の200Kレースでブッチギリの
総合優勝しました。
そして翌年の一番仔がスーパーエイト若大将号で、1,000K悪天レース翌日唯一一羽帰り優勝。
このスーパーセブン若大将号が記録的にも、タイプ的にも、血統的にも
私の理想のタイプであるというところから、若大将系ホームページの表紙と
ロフト若大将のドアにかざらしてもらいました。



             
          スーパーセブン若大将号 90MM02957 BC ♂